オープンイノベーションの街づくり
どうしたら働きやすく魅力的な地方の街づくりができるのか?
そのためにはどうしたらいいのか?
そんな疑問に対して一つのこたを出しているのが、地方都市への移住・定住に加え、関係人口の創出と拡大にいち早く取り組む静岡。
コロナを機に大都市から離れ、生き方働き方を見直している方も多くいらっしゃると思います。都会と自然が調和した静岡では、その豊かな地域性と東京へのアクセスの良さから、行政や地域企業が連携して地域活性化や未来の人材育成に取り組んでいます。
今回は暮らす人/働く人にとって何が魅力になるのか、そのヒントを静岡県で活動する3人と共に考えていきたいと思います。
【井出 雄大 氏】
株式会社静岡銀行の地方創生推進役として活躍中。Tech Beat Shizuoka(テック・ビート・静岡)というスタートアップと企業をマッチングするプラットフォームを通して、新しい静岡を掘り起こしている。
【奥平 結 氏】
静岡市役所の移住/定住を推進している。愛知県出身だが、都会と自然が調和している静岡市の住み心地の良さに感動。市内のコーワーキングスペースを繋いだり、協力隊にワーケーションを実際に体験してもらったりと、ユニークな方法で静岡の街作り/魅力を発信している。
【北川 信央 氏】
北川グループ 取締役 兼 いちぼし堂 責任者。社会事業家として、自社に関わる人の豊かさの量と質をあげ、紹介したくなる街づくりを目指している。1年前に建てた「いちぼし堂」では静岡市とも連携し、多様な人の多様な居場所を育むというVisionをベースに多くの人と活動中。
お三方ともに、常日頃からお互いのオフィスを行き来し、情報交流や議論を行っている仲。お互いにちょっと移動すれば顔が見れるという静岡市内のコンパクトさ、お互いへのサポートや情報の透明性が、人同士のつながりを作っています。
【7月30日(木) 18:00〜開催!】
越境型社会を創るMIRAI47 ~静岡から始まる新たなローカルイノベーション〜
▼プログラム
トークセッション「越境がもたらす新しい地域間融合のカタチ」
グループトーク「首都圏の人材を活用した新たな地域経済を創出しよう」
グループトークからのインサイト形成、質疑意見交換、まとめ
静岡を東のシリコンバレーに
富士山の麓にある静岡県は、物理的にも象徴的にも日本の中心に位置する場所。交通、物流の要衝でもあるため製造、運輸はもとより、年間を通じて暖かく過ごしやすい気候のため農林水産、観光など多彩な産業が発展してきた土地です。
ただ、不確実性が高い現代社会の中では、静岡でも自分たちのリソースだけでは成長できないという課題があり、自前主義ではなく他者との協業、オープンイノベーションをしていく場を作ることが急務となっています。
そこで、様々な業界の最先端技術を持つ企業が出会う場として静岡銀行と静岡県で「Tech Beat Shizuoka(テック・ビート・静岡)」というビジネスマッチングのプラットフォームを運用しはじめました。
2019年のイベントでは3,300名にご来場いただき、440件の商談が行われ実際に25件の共創ビジネスが生まれ手応えを感じています。
今年7月のイベントでは、も「農業版」などの業界に特化したものや、アフターコロナをテーマにしたイベントを行い、台湾・デジタル担当政務委員(大臣)の唐鳳(オードリー・タン)さんに基調講演にきていただくなど精力的に活動中。
今後も、多業種がイベントをきっかけにプラットフォームで集い、新たなビジネスの芽が次々と生まれるサポートをしていきます。
静岡はリゾート関東圏
静岡市はコロナの前から「仕事はそのまま、住まいは静岡」というお試しテレワーク事業を展開しています。このプロジェクトを始めたきっかけは、静岡に移住したいなと思っても、仕事が決まらないとできないという悩みからでした。
そこで考えたのが、首都圏からの新幹線で約1時間というアクセスの良さを活かしたシェアオフィス/テレワークを体験してもらうこと。施設の利用料、宿泊費、移動費も補助し、実質0円でテレワークができる取り組みを実施しました。
参加者に喜ばれたのは、アクセスの良さと共に、駅周りには首都圏に負けないデパートや歓楽街があること、そして10分〜15分ほど車を走らせれば、緑豊かな山や海にアクセスができること。まさに、非日常の中で仕事をするような環境が整っているのが魅力です。
まずは気軽にワーケーションを楽しんでいただき、静岡の魅力をたっぷり味わう関係人口として静岡に関わっていただければ嬉しいです。
自慢できる街をコワーキングスペースから
もともと会計士として東京で働いていた北川さんが実家の材木屋さんを継いだことから始まった「いちぼし堂」は、1階が保育園、2階がコワーキングスペース、3階がレジデンス、4階がテラスになった複合施設です。
もともと実家の材木屋を注いだ時には、工場もボロボロで残業も多く、人がどんどん辞めてしまうような会社だったが、7年間をかけて細かい改善を繰り返し、60代のシニアが活躍できる工場にしました。彼らが和気藹々としている場面を見るたびに「居場所ってとっても大切」だと感じたことが原点となり「多様な居場所を増やしていきたい」という想いを元にいちぼし堂を建てました。
特に、地場で経営をしていると自分が社会起業家であるということを認識することが多くあります。株主だけでなく、地域のことを考えていきたという思いから、いちぼし堂を静岡や会社の潜在資産を健在資産にしていきたいと考えています。
また、経営者として豊かさの質や量を上げることが大切です。
そこで、21世紀にマッチする「遊び方」や「生き方」のレシピを、このビジョンと共感する人と共にいちぼし堂で作り出そうとしています。地元の人がいちぼし堂を、ひいては静岡を思わす自慢したくなるような場所にするために今後も活動をしていきます。